FIRE(ファイア)という生き方が注目を浴びています。FIREとは,「Financial Independence, Retire Early」を略したもので,「経済的に自立→早期リアイア→自由に生きる」という生活スタイルです。実にうらやましい生き方です。本記事では,「FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる」の内容に私なりの解釈を加え,FIREとは何か,FIREによって得られること,FIREするための経済的条件などを簡単に解説します。
目 次
1. FIREとは?
FIRE(ファイア)とは「Financial Independence, Retire Early」を略したもので,経済的に自立して早期にリタイア(仕事を辞める)という意味です。仕事をクビになる(解雇される)という意味ではありません。
早期にリタイアして,自由な時間に遊んでも良し,自分の満足度を高めるための仕事をしても良しという素晴らしい生活スタイルです。私もこのFIREを目指しています。
しかし,当然ですが,将来に渡って経済的な心配をしなくても良いだけの資産が必要となりますので,なかなか達成しにくいのが現実です。
FIREについては,以下の書籍が有名であり,詳しく記載されていますが,この記事ではその内容の要点を私なりの解釈も踏まえて記載します。
2. FIREによって得られるのは「時間」と「自由」
一般的な人は,会社員として働き,その労働力の見返りとして給料をもらっています。言い換えれば,時間をお金と交換していると言えます。多くの人は,平日の9~17時頃は仕事をしないといけないため,長期で旅行したり,のんびりしたりなどの自由が制約されることとなります。
一方,FIREした人の生活は,時間が十分あり,自由そのものです。自分の好きなときに好きなことをすればいいのです。のんびりしたり,旅に行ったり,自分の好きなスポーツや勉強をしたり,その選択肢は無限大です。
FIREに対して批難的な意見もあります。仕事を辞めると将来的にお金が尽きる,仕事をして社会に貢献することが美徳というような意見です。
FIREは,将来的な支出を見据えて早期リタイアするものですし,単に貯蓄を目減りするだけではなく資産運用によって資産を維持・増加させるものであるため,将来的なお金の心配はそれほどありません。心配しない分のお金を貯めてから,早期リタイアするのです。
また,早期リタイアするといっても,仕事をしたい時にしたい分だけすればよいだけであり,仕事をする・しないを自由に選択できるのがFIREです。会社勤めだと,たとえ好きな仕事をしていたとしても,中にはやりたくない仕事をしたり,人間関係にストレスを抱えることもありますが,FIREした後に仕事をする場合,それらの悩みに悩まされることがほとんどなくなるでしょう。
FIREによって得られるのは,労働時間からの解放,そして自由です。住まい,仕事,遊びなど,ほぼ全てを自由に決められるという生活スタイルです。
素晴らしいと思いませんか?
私は絶対にFIREして,世界を旅したいと思っています。
3. FIREするための経済的条件
FIREするには,それなりの資産がないといけません。では,いくら貯めればいいのでしょうか?
答えは,「その人の支出により異なる」ということになります。毎月の生活費に15万円必要な人と50万円必要な人では生活レベルが異なるため,将来に渡って必要な金額が違うのは当然と言えます。
FIREの経済的条件は,以下の2段階で考える必要があります
- 必要な支出額を設定
- 年間4%の利回りで投資した場合に①の支出額を得るための資産額を算定
それぞれ見ていきましょう。
3.1 必要な支出額を設定
将来に渡って,毎年必要な支出額を設定します。
大事なのは,あなたがFIREした後の生活費がどの程度必要か?ということです。独身か既婚者か?子供は何人いるのか?質素に生活するのか裕福に暮らしたいのか?など,いろいろな条件によって変わります。
例えば,一人暮らしでそれほど贅沢しないのであれば,年間400万円もあれば十分生活できるでしょう。
3.2 年間4%の利回りで投資した場合に必要な支出額を得るための資産額を算定
まずは,年間4%の利回りで投資した場合に必要な資産額(元本)を計算します。計算式は以下です。
投資で年間の支出額を稼ぐために必要な資産額=年間の必要な支出額÷0.04(年間の利回り)
年間の必要な支出額を仮に400万円とすると,
投資で年間の支出額を稼ぐために必要な資産額=400万円÷0.04=1億円
となります。
なぜ4%の利回りで投資できることを想定するかというと,1926~2012年の86年間のS&P500の平均的な利回りは9.7%であること,95%の人が10年後も元本を維持できるという実績があることが理由です。
「FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる」によると,具体的な投資の方法は,アメリカのインデックス投資(S&P500など)を6割,債権を4割とのことです。インデックス投資と債権のパフォーマンスはトレードオフになる場合が多いため,どちらかのパフォーマンスが悪くても,安定した利回りが得られるとのことです。
株のバブルが形成されつつある現況において,将来的にアメリカのインデックス投資と債権が4%の利回りを得るために有効とは私個人としては思っていませんが,どれだけの金額を用意すればFIREできるかを試算するには非常に役に立ちます。
次に,万が一の金融危機に備えて,5年分の年間生活費を現金として保有するとのことです。なぜ5年かというと,過去の金融危機では,平均して5年経過すればインデックス株価が金融危機前に戻るためとのことです。
年間400万円の支出であれば,5年分として2,000万円です。
以上を踏まえ,FIREするために必要な資産額は,以下を合わせて1.2億円となります。
①投資で年間の支出額を稼ぐために必要な資産額:1億円
②万が一の金融危機等に備えた貯蓄:2,000万円
大事なことは,貯金を切り崩して生活するのではなく,早期リタイアしたときに持っている資産で運用をして必要な生活費を稼ぐこと,万が一に備えて余裕資金を持っておくということです。
今回の資産では,年間の支出を400万円と仮定しましたが,皆さんの年間の支出を踏まえ,FIREするために必要な資産額を算定してください。
私の場合は,将来的に嫁と子供が欲しいため,年間600万円の支出額を想定し,FIREするための資産を1.8億円と設定しました。
4. FIREするための資産を稼ぐ方法
本記事の3.では,年間支出額が400万円の人は,1.2億円を貯めることが必要と説明しました。
1.2億円なんて無理だろうと思われるかもしれませんが,「FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる」によると誰でもできるとのことです。
労働から得た収入をインデックス等に投資することで,平均的な給料でも,複利の効果で30年以内に達成できるようです。日本人だと稼いだお金を貯金しがちですが,投資をして複利の力で,雪だるま式に資金を増やしましょうと書かれています。もちろん,無駄遣いしないような支出の見直しも必要でしょう。
私自身,今からFIREを目指すところなのですが,積極的に投資をやっていこうと思いました。本ブログでも投資の記事を増やしていきます。
5. お金を貯めても早期引退するのが怖い?
仕事を定年退職すると,仕事での人間関係がなくなるため,人付き合いの幅が狭くなり,自由な時間ができても思いのほか趣味が楽しめないという話も聞きます。若い年齢で引退したら時間がありすぎて暇で大変じゃないだろうかと思う方もいるかもしれません。
そういう人は,頭に社畜マインドが刷り込まれています。まず考え方を変えましょう。
自由なことは素晴らしいことであり,仕事を辞めても同僚と遊びたかったら遊べばいいんです。同僚からすると,仕事を辞めて自由に遊んでいる人に対して興味深々で話を聞きたがってくると思いますし,もし早期引退して縁がきれるような関係なら,この際切ったほうがいいでしょう。
また,「FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる」によると,世の中にはFIREした人たちが意外と沢山いるようで,FIREした人だけのコミュニティが存在します。
FIREした後は,FIREした人同士で自由に遊べばいいのです。時間の制約を受けず,きっと楽しい人生になると想像します(私もFIREして遊びたいものです・・・)。
6. まとめ
本記事では,「FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる」の記載内容と私の解釈を付け加え,FIREとは何か,FIREによって得られるものは,FIREするための経済的条件などを解説しました。まとめを以下に記載します。
- FIRE(Financial Independence, Retire Early)とは,経済的に自立することで,早期に仕事を辞めて,自由な生活を送ることです。
- FIREすることによって,労働から解放され,どこに住むか,どのように遊ぶかなど,自分の生活が自由になります。必ずしも仕事をしないというわけではなく,自分の満足度向上のために仕事をしたければ好きな仕事を好きな分量だけすればよく,つまりは仕事をする・しないの選択も自由です。
- FIREするためには,毎年の支出を投資することによって稼ぐ必要があります。そのためには,まず自分の生活に必要な年間支出額を設定する必要があります。
- 次に,以下の2つの金額を算定し,その合計がFIREするために必要な金額になります。
①毎年の支出額を投資で稼ぐために必要な資金:年間支出額÷年間利回り4%
②金融危機など不測の事態に備えた余裕資金:年間支出額×5年
- FIREするための資産は,一般的な会社員でも,30年以内に達成可能です。そのためには,会社員として得た収入を株式等に投資し,複利の効果を使う必要があります。
- 資金を貯めてFIREした後は,FIREした人たちのコミュニティがあるため,そこの人達と遊ぶことで,寂しさや暇を持て余すことがないでしょう。