自宅の本棚を整理(断捨離)したいこと,旅行等の外出先でタブレットを使って本を読みたいことから,初めて自炊をしました。
今回の自炊した本は約350冊で,作業を繰り返すうちにネックになる作業,効率的なやり方などがわかったので,シェアしたいと思います。
目 次
1. 自炊とは
本の自炊とは,所有する紙の書籍をPDF等の電子データにすることです。iPad等のタブレットやKindle等の電子書籍リーダーが普及するとともに,スキャナーの性能向上に伴い,急速に普及した方法です。
なお,自炊した電子データは,私的使用には全く問題ありませんが,他人への譲渡や商用利用は違法となります。
2. 自炊のメリット・デメリット
2.1 メリット
自炊のメリットは,以下の3つです。ちなみに,私が自炊をした最大の理由は,①の断捨離です。
- 自宅に本を保管する必要がない(断捨離)
- タブレット等で本を読めるため,出張・旅行等で紙の本を持ち歩く必要がない
- OCR機能により文字の検索が可能
(欲しい情報をすぐに調べられるため,部分的に読み直す場合はかなり便利な機能)
2.2 デメリット
一方,自炊のデメリットは,以下の3つです。私は,本をパラパラとめくって全体を把握したいため,②のデメリットが気になりますが,メリットの方が大きいと判断をして,今回自炊することとしました。
- 紙の本と比べて読みにくい
- 紙の本特有の手触り・匂いが味わえない
(本をパラパラとめくることができない) - 自炊作業に手間がかかる
3. 自炊の方法
自炊の方法は,本を裁断する「破壊自炊」と裁断しない「非破壊自炊」があります。今回は「破壊自炊」を対象として説明します。
なお,「非破壊自炊」は,本を裁断せずにスキャンするので,紙の本が手元に残るメリットがあります。一方,スキャンしたデータが歪むことに加え,スキャンする作業時間が大幅に増加します。今回の自炊は,断捨離を大きな目的としているため,「非破壊自炊」は,選択肢から外しました。
また,自分で自炊作業をする以外に,自炊代行業者へ外注する方法があります。私のこの方法を検討しましたが,一度は自分で自炊作業をしてみたいこと,350冊を自炊代行業者へ頼むと約7万円かかることから,自分で作業することにしました。
(OCR機能を含めると,約200円/冊×350冊=7万円程度かかります。)
他には,ただ単に読むだけでいいのであれば,図書館で本を借りる方法もあります。当然,図書館で借りた本を裁断して自炊するなど,言語道断ですが,その本が面白いかどうかを買う前に把握すること程度は可能です(人気の本は入手までに時間がかかります)。
なお,安価な自炊代行業者をお探しの場合は,本ブログの「本のスキャン代行業者を比較(最も安価な業者は?)」をご覧ください。
OCR機能や表紙スキャンを含めて,最安値150円/冊の業者があります。
4. 全体の作業の流れと効率的な方法
4.1 全体の流れ
作業の全体的な流れは,以下のとおりです。このうち,「③本を裁断」と「④裁断した本をスキャン」を作業が終わるまでひたすら繰り返す必要があります。
【最初だけ実施する作業】
①道具を調達
↓
②スキャナーの設定
【作業が終わるまで繰り返す作業】
③本の裁断
↓
④裁断した本をスキャン
【最後だけ実施する作業】
⑤スキャンデータの確認・編集
↓
⑥裁断本の処分
4.2 自炊に要する時間
4.2.1 裁断・スキャン
私の裁断・スキャンのペースは,1人で作業をして,1時間につきハードカバーの本なら約10冊,小説なら約16冊でした。ハードカバーは紙が厚いうえ枚数が多いため,スキャンの時間がかかるため,自炊速度が遅くなっています。
複数人で作業をしても,作業的な負担は減りますが,作業スピードはそれほど変わりません。なぜなら,スキャナーの読み込むところで,作業時間が決まってくるためです。
また,私の場合は,以下のスケジュールで約350冊を自炊しました。
***1日目***********************************************
【11時】
- レンタルした機材が届く
【11~13時】
- 機械の設置,プリンタの設定,必要な道具を100円均一で買い出し(昼食を食べながら作業)
- レンタル機材の集荷を翌日の17時に来てもらうことを連絡する。(配送業者が忙しい時期は1日前に集荷の連絡をする必要があります。また,今回のレンタル業者の規定では,17時までに配送業者へ渡す必要があったため,17時集荷を依頼しました)
【13~19時】
- 裁断とスキャンを繰り返し作業(ここで自炊のペースをつかむ)
- 最初の数冊は,スキャンしたデータが問題ないかを確認しながら作業
(機材のレンタル期間が限られているため,全てのデータを確認するのは,裁断・スキャンが終わってから) - 2日目夕方に機材を返却する必要があり,このペースでは350冊の自炊が終わらないことに気づいたため,レンタルの延長を電話するが,次の借り手が決まっているため延長できなかった。そのため,睡眠時間を削って作業をする決意をする。
【19~03時】
- 裁断とスキャンを繰り返し作業 (夕食は食べながら作業。7時まで仮眠をとることにする。)
***2日目***********************************************
【07~13時】
- 裁断とスキャンを繰り返し作業(昼食を食べながら作業)
- 17時の集荷までに作業が終わらない可能性があると判断し,佐川急便に集荷時間を19時にしてもらう電話をする (レンタル業者の規定では17時までに機材を配送業者へ引き渡す必要がありますが,私の住んでいる地域では,15時以降は翌日配送となり,15時以降なら何時に集荷してもらっても相手へ届くタイミングは同じためです。この方法でもレンタル業者からは特に何のクレームもありませんでしたが,あまりオススメはしません。)
【13~18時】
- 裁断とスキャンを繰り返し作業し,ついに裁断・スキャンの作業が終了
【18~19時】
- レンタルした機材片付け,梱包する。
- 19時過ぎに佐川急便が集荷に来たので機材を引き渡す
以下は裁断後の約350冊の本です。かなりの強硬スケジュールでした。
機材のレンタル延長も可能なのですが,私の場合は次の借り手がきまっていたらしく,延長できませんでしたが,350冊なら2泊3日のレンタルが無難だと思います。
今回と同じ機材をレンタルする場合は,1時間につき,10~16冊の裁断・スキャンが可能と想定し,自分が作業に費やせる時間をもとに,レンタル期間を設定してください。ただし,使用する機材によって時間が大きく変わるため注意が必要です。
4.2.2 PDFの確認・編集
スキャンしたPDFの確認・編集は,あまり修正がなければ,1時間で50ファイル程度の作業が可能でした。350冊なら7時間程度の作業時間になります。
ただし,PDFのページを逆にスキャンしてしまった場合などは,もう少し時間が必要です。
4.3 効率的な方法
どうすれば効率的に自炊できるかを説明します。
自炊でいかに早く作業を終わらせるためには,スキャナーでのスキャン作業を止めないことが重要で,常にスキャナーに働いてもらう必要があります。そのために,以下の方法が良いと感じました。
- 1回のスキャンにつき,約30秒~90秒の時間を要します。この間に裁断を行い,スキャンが終わったら次のスキャンを行います。こうすることで,スキャナーが常に動いているようにします。スキャナーの都合で自分の作業が決められるため,結構めんどくさいのですが,効率性を重視し,そこは我慢します。
- スキャンし終わったデータをPCに保存する際に,数秒から1分程度の待ち時間があります。スキャンした枚数が多いほど,文章量が多いほど,この時間が長くなります。この間は,スキャンできないため,裁断作業を行います。なお,十数時間程度も連続で作業をしていると,この時間が長くなります。その場合は,パソコンの再起動を行うと,処理速度が速くなります(スキャナーの画面にメモリ不足のメッセージが表示される場合があります)。
- ハードカバーの本は,分厚い表紙を取り除くため,本が分厚く2回に分けて裁断しなければならないため,裁断に時間を要します。そのため,なるべく,作業を前倒ししてハードカバーの裁断後の本をストックしておくことが望ましいです。スキャンしたいけど,裁断した本がないという事態を避ける必要があります。
- スキャンを一度にたくさんしたほうが手間は減るのですが,紙詰まりを起こすと結局余計に時間がかかってしまうので,少なめの枚数にしておく方が良いです。紙の厚さにもよるので,一概にどのくらいかは言いづらいのですが,私の場合は,表紙を含まず裁断した本だけで,文庫本なら2回,ハードカバーなら3回に分けてスキャンしていました。
- パソコン,スキャナー,裁断機は,自分の座っているところから,動かずに操作できるようにする。これらの3つの機器を繰り返し使用するためです。裁断だけ作業した後にスキャンだけ作業するという方法は,効率の観点からは絶対にオススメしません。
5. 自炊の手順
以降で自炊の手順を説明します。大まかには, 道具の調達 → 本の裁断 → スキャン → スキャンデータの確認・編集
5.1 道具の調達(今回はレンタルと百円均一)
必要な道具を下表に示します。この際,裁断機とスキャナーをどのように入手するかが最も重要です。
【自炊に必要な道具一覧】
分類 | 道具 | 用途 | 入手方法 |
必須 | パソコン | スキャンしたデータを取り込む | 自前 |
裁断機 | 本の裁断 | レンタル (購入しても良い) |
|
スキャナー | 本のスキャン | レンタル (購入しても良い) |
|
カッター | 本の裁断の補助 (特にハードカバーの背表紙を剥がす作業で使用) |
100円均一 | |
必要に |
カッティング マット |
カッターを使用する際の机の傷防止 | 100円均一 |
輪ゴム | 裁断した本がばらけないようにする | 100円均一 | |
ものさし | 裁断した本の幅を測る | 100円均一 | |
ホチキスの 針外し |
雑誌等に綴じられたホチキスを外す | 裁断機とセットでレンタル(無料) |
裁断機とスキャナーの両方を購入する場合は7~8万円程度も必要であるにも関わらず,初めての自炊だったため,今後も使用するかどうか,また,置き場所に困る可能性があると考えたことから,レンタルすることとしました。
読書量が多く,今後も自炊される方は,裁断機とスキャナーの購入も検討する価値があると思います。なお,裁断機のカッターは定期的に交換が必要なようです。
レンタルした業者は,大手の方が安心だと考えたため「DMMいろいろレンタル」とし,以下の商品(裁断機PK-513LNとScanSnap iX1500)を2日間レンタルしました。
費用は,レンタル料金5,160円+往復の送料2,500円=7,660円で,他の業者と比較してもそれほど高く感じませんでした。レンタルした機材は以下の写真のとおりで,結構な大きさです。
基本的には,この裁断機とスキャナーで問題なく自炊できましたが,その使い心地に関しては,「5.2 本の裁断」と「5.3 裁断した本のスキャン」に記載します。
5.2 本の裁断
本の裁断は簡単で,次の①~③の手順です。
①裁断機の上に本を置く。この際に裁断機上の目盛を本のサイズごとに合わせる。
②安全レバー押して横(写真だと左)に押してずらす。
③レバーを押し込み裁断する。
①の裁断厚さは,5mm~10mmが良いと思いました。5mmより小さいと,紙と紙がくっついている場合があり,うまくスキャンできない場合があります。また,10mmより大きいと文字がある部分を裁断してしまう恐れがあります。
裁断機の目盛の目安としては,文庫本(A6)なら10cm,一般的なハードカバーの本(A5)なら12cmとしていました。何度も裁断するうちに,この辺りの感覚を把握できるようになります。
ただし,ハードカバーの本は,分厚い表紙を外す必要があります。この作業は,次の手順で行います。
①分厚い表紙と本体を手で左右に引っ張り,亀裂を入れる
②その亀裂に添ってカッターの刃を入れる。
③逆側の分厚い表紙も同様のことを行い,分厚い表紙(表と裏)と本体を完全に分離させる
また,今回使用した裁断機(PK-513L)の場合,メーカー調べによると,紙の厚さにもよりますが,最大160枚(両面なら320ページ)程度の裁断が可能です。
小説等であれば特別分厚い本以外は1回で裁断できましが,ハードカバーの場合は,ほとんどの場合,2つ(場合によっては3つ)に分割して裁断する必要があります。
裁断したい本が分厚く,使用する裁断機では一度に裁断できない場合は,以下の手順で複数に分ける必要があります。
・分けたい部分に折り目を入れる
・折り目に添ってカッターの刃を入れる。背表紙側からカッターを入れるときれいに分けられます。
なお,ハードカバーの比較的分厚い本が多く,手間を省きたいひとは200枚程度の裁断が可能な裁断機(例えばコレ)を使う方がより良いと思いました(ただし,「DMMいろいろレンタル」では,200枚を裁断可能な裁断機は現時点でありません)。
5.3 裁断した本のスキャン
5.3.1 スキャナーの設定
まずスキャナーとPCをUSBで接続します。必要なケーブル類は全て付属されています。これは,USBでなくWifiでも接続可能です。
次に,スキャナーの電源ケーブルを差し込み,スイッチを押して,電源を押します。
これでスキャナーが起動しますが,必ずスキャンしたデータの設定を行う必要があります。この設定をきちんとしないと,スキャンをやり直す必要がでてきたりします。主な設定は,以下のとおりです。
①パソコン上に今回使用するスキャナー(ScanSnap iX1500 FI-IX1500)のドライバをインストールする。ドライバのインストールは,インストールするexeファイルをインターネットからダウンロードして実行するだけです。ダウンロードするURLはレンタル機材の中にある書類に記載があります。
②パソコン上で,インストールしたスキャナーのソフト(ScanSnap)を起動し,設定 → 環境設定 → 一般 をクリックする。その後,スキャンしたファイルの保存先を変更する。
③言語のタブをクリックする。日本語の本をスキャンする場合は,「文章」の言語を日本語にして,OKをクリックする。英語の場合は「英語」に変更する必要がある。この設定がOCR機能(PDF上で文字を認識する機能)で読み取る言語に影響する。
④スキャンするファイルの設定を行います。設定 → スキャン設定 → フォルダに保存 → 右上のボタン をクリックする。その後,下図の赤枠部分のように,変更する。
・カラーモード:「自動」が無難(プリンタが自動で白黒・カラーを判読)
・読み取り面:必ず「両面」にする
・画質:念のため,上から2つめの設定の「スーパーファイン」にしました。ファイルサイズを小さくしたいのであれば,「ファイン」でも全く問題ありません。
・ファイル形式:「PDF」が無難です。
・フィード:必ず「継続スキャン」にする。複数回スキャンしたデータを1つのPDFとして保存してくれる設定です。
⑤詳細設定をクリックし,ファイル形式のタブの「検索可能なPDFにします」に必ずチェックを入れる。このチェックを入れることで,OCR機能がONになります。漫画で文字の検索が不要な場合は,このチェックを外しても問題ありません。
⑥最後に 保存 をクリックして,設定完了です。
5.3.2 断裁本のスキャン
裁断した本のスキャンの手順は,以下の①~④です。なお,B4サイズ(257×364mm)やA3サイズ(297×420mm)でも,スキャンできます。
①裁断本にふせん,ブックマーク(本についている紐),売上スリップ(短冊状の紙),付属のCDやDVDを取り除く。これが入っているとスキャン時にエラーになったら,スキャンされた画像から文字が読めなくなる場合がある。
②本の表紙をプリンタにセットする。この際,表紙の表を下側に置く必要がある。
表紙をスキャンしない方法もありますが,私は本の表紙がその本のイメージとなっているため,必ずスキャンするようにしています。なお,本の帯は,基本は外してスキャンしていますが,帯も含めてその本のイメージになっている場合は,表紙と帯を合わせてスキャンします。
③プリンタの「scan」ボタンをタッチすると,スキャンが開始される。
④セットした表紙のスキャンが終わると,以下の画面になる。この後,裁断した本の本体をセットし,「scan」をタッチすると,再度スキャンが実行される。この際に本をセットする向きは,下側を最初のページにする必要がある。
⑤本全体のスキャンが終わった場合は「終了」をタッチし,この後続きがある場合は,次の紙をセットし,「scan」をタッチする。複数回スキャンする場合でも,「終了」を押さない限り,1つのPDFとなる。
(1つの本で複数のPDFとなっても,後で実施する編集で1つのPDFにできるため,ファイルを分けてスキャンしても問題ない。)
5.3.3 スキャン時の注意点
スキャン時の注意点がいくつかあるので,以下に列挙します。
- 表紙をスキャナーにセットする際は,以下のように,折れた状態でスキャンする。こうすることで,表紙の裏面もスキャンされる。表紙の裏面には著者の顔や経歴などが記載されている場合が多いため,できるだけ電子化したほうが良い。
- 2枚重なってスキャンした場合(セットした紙が多すぎる場合やきれいに裁断されておらず2枚がくっついている場合に多い)や白紙ページが2枚連続となっている場合は,以下のようなエラーがでる。2枚重なっている場合は,「終了」を押して再度スキャンをやり直す。白紙ページが2枚連続の場合は問題ないので,「Scan」を押してそのまま作業を進める。
- 断裁本をセットする向きを逆にした場合,PDFのページが「最終頁 → 最初のページ」と逆になる。この場合,再度スキャンしても良いが,時間がないときは最後のPDFを確認・編集するときに調整する。
- 色紙は,裁断しても次のページとくっついている場合があるため,スキャンする前にきちんと裁断されているかを確認する方が良い。くっついている場合は,スキャンでエラーが出て,余計に時間がかかってしまう。
今回使用したスキャナー(ScanSnap iX1500 FI-IX1500)の場合,一度にスキャンできる原稿搭載枚数が最大50枚(両面なら100ページ)です。
これは,紙の厚みにもよるのですが,通常の小説だと2回,ハードカバーの本だと3回くらいに分けてスキャンしていました。後述しますが,分けてスキャンした場合でも,スキャナーの設定を変更することで,1つの電子ファイルにすることが可能です。
5.4 スキャンデータの確認・編集
スキャンデータ(PDFファイル)の確認・編集は,以下の方法で行います。
①PDFの編集が可能なフリーソフトをインストール
フリーソフトの「CubePDF Utility」をインストールします。ページの削除,回転,挿入(PDFの結合)など,編集に必要なだいたいの作業に対応できます。ほかのソフトも使いましたが,欲しい編集機能がなかったりするので,フリーソフトでは,これが一番オススメだと思いました。
②PDFの確認・編集(基本作業)
以下の手順で確認・編集を行います。
- スキャンしたPDFを「CubePDF Utility」で開く。
- 最初から最後まで,早いスピードでざっと眺めて,ページの向きが変になっているものは回転させる(以下のとおり,該当ページを選択して,「左90度」もしくは「右90度」のボタンを押すだけ)。
- 1冊の本で複数ファイルに分割してスキャンしてしまったものは,複数ファイルを合体する。
(挿入 → 詳細を設定して挿入 → 該当ファイルをドラッグアンドドロップ → 先頭や末尾にチェックをいれる → OK → 保存)
- なお,保有している本の表紙が場合は,アマゾン等のHPから,表紙の画像をPDF化して,上記方法で合体すればよい。HPの画像を使用するが,個人利用なので問題ありません。
- ページの移動もこのソフトで可能です。該当ページを選択して,ドラッグアンドドロップするだけです。ただし,ページを逆にスキャンしてしまった場合など,大量にページを変更する場合は,作業量が多くなるため,以下の方法をお勧めします。
③PDFの確認・編集(ページを逆にスキャンした場合)
ページを逆にスキャンしてしまった場合は,以下の方法で編集します。
- フリーソフト「PDFtk」をインストールします。緑色のボタンを押して,exeファイルをダウンロードのうえ,インストールしてください。
- コマンドプロンプトを起動し,作業したいフォルダのディレクトリへ移動する。
コマンドプロンプトは,画面左下のスタートボタン(ウィンドウズのアイコン)で「コマンドプロンプト」と入力すれば,表示されますのでそれをクリックする。
作業したいフォルダへの移動は,以下のように,「cd 」のあと作業したいフォルダのディレクトリを打ち込んでエンターボタンを押す(ディレクトリはコピペすると楽)
- コマンドプロンプトで,以下を打ち込むと,ページが逆になったファイルが作業フォルダに作成される。赤字は,状況に応じて変更が必要なファイル名で,黒字は変更不要です。なお,もう少し詳しい説明は,他のHP(例えばコレ)で解説されているので,割愛します。
pdftk ページが逆のPDFファイル.pdf cat end-1 output 編集後のPDFファイル.pdf
6. 裁断した本の処分
裁断した本は,以下の処分方法があります。
①ゴミとして処分
単純にゴミとして捨てるだけで,一番手間がかからない方法です。
②ネットで売却
メルカリやヤフオクで売却します。大切に保管していた自分の本たちを処分するにはちょっと後ろめたさがある方や少し手間をかけても現金化したい方にお勧めです。
本の種類や状態にも左右されますが,メルカリやヤフオクを見ていると,1冊300円程度で販売されている例が多く見られます。裁断済みの本を売却することは,法的にも問題ありません。
私はバラバラで売るのが面倒なので,引き取り限定でまとめて超安く売りました。少額しか得られませんが,捨てるのはもったいないという方にお勧めです。
なお,裁断した本は,通常の本としての価値はほとんどなく,古本屋には売却できません。
いずれの方法も,大量の本を扱う際には,ダンボールボールが必要となりますが,近くのコンビニやスーパーで,無料で頂けます。コンビニは,取り扱っている段ボールが小さいため(ペットボトル用の小さな段ボールが多い),ダンボールの量が豊富で大きさもいろいろあるスーパーがおすすめです。
7. 今後の自炊の仕方について
私の場合は,読書量が1か月1.5冊程度とそれほど多くないこと,自宅に裁断機とスキャナーを置く場所が確保しにくいことから,今後も裁断機とスキャナーは購入せず,レンタルもしくは自炊代行業者へ依頼することで,1~3年に1回程度のペースで自炊をしていこうと考えています。
紙の本で読む → 1~3年に1回のペースで自炊(レンタル機器で対応) → 読み返すときはパソコンもしくは電子書籍リーダー とする
8. まとめ
裁断機・スキャナーをレンタルし,初めて約350冊の自炊(書籍の電子化)を行いました。自炊をして,主に思ったこと・感じたことは以下のとおりです。
- 自宅の本を整理(断捨離)することを主目的として自炊を行いました。電子データは,紙の本と比べて読みにくいデメリットがあるが,私個人はメリットの方が大きく,自炊をして良かったと感じています。
- 自炊作業の主な流れは,①道具を調達→②スキャナーの設定→③本の裁断→④裁断した本をスキャン→⑤スキャンデータの確認・編集→⑥裁断本の処分 です。このうち,③と④の作業が最も手間がかかります。
- 自炊時の裁断・スキャンするペースは,使用する機器や自炊する本の厚さ等にもよりますが,効率的に実施しても1時間で10~16冊程度でした。作業ペースはスキャナーの時間で決定されるため,効率的に作業をするには,スキャナーを常に稼働させる必要がありました。