田舎暮らしといっても,山奥でひっそり生活するものから,地方の主要都市周辺で生活するなど,その生活スタイルにはいろいろな種類があります。そこで,田舎暮らしを考えている人にとって,どのような田舎暮らしのスタイル(田舎度合い)があるかを,移動時間から分類し,それぞれの特徴やメリット・デメリットを整理します。
本記事は,田舎暮らしを考えているけど,どのような生活スタイルを決めていない人に向けたものです。
目 次
1. 田舎暮らしの生活スタイルの分類方法
一言で「田舎暮らし」といっても,そのスタイルは多種多様です。
最初に結論を言えば,「都心から最寄り駅までの移動時間」と「最寄り駅から自宅までの移動時間」から,自分の住みたいと思うスタイルを考えようということです。
この2つの分類を縦軸と横軸にとると,以下のような図になり,大きく分けて①~④に分類できます。
私が住んでいる埼玉県飯能市の田舎は,池袋(都心)から飯能駅(最寄り駅)まで電車で50分程度の移動時間のため,田舎暮らしとしては都心の近くに位置しています。
また,飯能駅(最寄り駅)から自宅まで車で30分ほどの地域のため最寄り駅から遠くにあるという感じです。
そのため,以下の分類①~④の中では,②に該当します。
都心近い②の地域でも,以下のような景色が自宅近くに広がっています。すごくないですか?
2. 都心から最寄り駅までの時間による分類
私のように,会社勤めをしながら田舎暮らしをする場合,都心から最寄り駅までの時間(≒距離)が非常に重要になってきます。会社勤めでなくても,頻繁に国内・国外を移動する人にとっては,羽田等の大きな空港が自宅の近くにあれば時間とお金を節約することが出来ます。
都心部に週1~2回程度の頻度で行かなければいけない場合,都心から自分の住む最寄り駅までの移動時間は,おおよそ片道で1時間半程度が限界だと思います。もちろん個人差や電車移動の乗り換え回数や座れるかなども影響します。
私の場合は,新型コロナ感染拡大に伴いテレワークが浸透してきたため,会社のある大宮に週1~2回の頻度で通える場所という考えから,埼玉県飯能市に住むことにしました。飯能駅(≒東飯能駅)から大宮駅まで片道1時間20分くらいかかります。週1~2回なら耐えられますが,週4回以上になると嫌になると思います。ギリギリが週3回ですね。
会社勤めをしながら田舎暮らしをする場合の場所の考え方は,本ブログの「会社員が田舎暮らしをする際の場所の決め方【体験談】」を参照してください。
一方,人の手があまり入っていないような田舎に住みたい場合は,都心部から離れた地域がおすすめです。例えば,沖縄,九州,四国,山陰地方,更新地方,東北地方,北海道など,細かく挙げれば数えきれないほど沢山の地域・場所があります。気候なども考えながら選ばないといけません。
私も会社勤めを辞めてフリーになれれば,海と山の両方が自宅近くにあり,暖かい地域に住んでみたいですね。
私の場合,都心部(例えば会社の所在地)から最寄り駅までの移動時間は,Google Mapで調べています。Google Mapだと,移動経路が図上に表示されてわかりやすいからです。
3. 最寄り駅から自宅までの時間による分類
次に,田舎暮らしをしている地域の最寄り駅から,自宅までの移動時間(≒距離)を考えます。同じ最寄り駅でも,そこからどの程度郊外に移動するかで環境が異なります。
例えば,高知県で田舎暮らしをしても,たくさん人が住んでいる高知駅近くに住む場合とそこから車で1時間移動した場所とでは,状況が全く異なることはおわかりいただけるでしょう。
地域によりますが,地方といっても県庁所在地の駅周辺では,レストランやスーパー等のお店も多いうえ,鉄道が整備されているため利便性が良いです。しかし,自然は自宅周辺にはそれほど多くなく,山などが遠目で見える程度となる可能性があります。
一方,郊外へ車で30分~1時間程度移動すれば,お店は当然少なくなりますが,山や海などのすぐ近くに住むことができます。このような地域は電車が通っておらず,バスがあっても本数が非常に少ないため,基本は車移動となります。
私の住んでいる地域は,最寄り駅である飯能駅まで,車で30分程度のため,そこそこ時間がかかってしまいますが,それでも駅から離れることで,めちゃくちゃ自然豊かなところに住むことができます。もちろん,お店が少ない不便さはありますが,それでも車で5~10分ほど走ればスーパーやコンビニがありますし,何より自然が沢山あることによる満足感の方が大きいため,私の場合は特に気になりません。
以下の写真は,自宅の裏から撮影した景色で,家の隣が山と川があります。最高ですよ。
4. 田舎暮らしのスタイル別のメリット・デメリット
本記事の2.で都心から最寄り駅までの時間(≒距離),3.で最寄り駅から自宅までの時間(≒距離)による分類を行い,それらから大まかに以下の4つに分類しました。
分類① 都心から最寄り駅までが近い & 最寄り駅から自宅までが近い
分類② 都心から最寄り駅までが近い & 最寄り駅から自宅までが遠い
分類③ 都心から最寄り駅までが遠い & 最寄り駅から自宅までが近い
分類④ 都心から最寄り駅までが遠い & 最寄り駅から自宅までが遠い
それぞれ分類①~④について,特徴,メリット・デメリットを整理するとともに,それらを踏まえてどのような人に適しているかを見ていきましょう。
分類①:都心から最寄り駅までが近い&最寄り駅から自宅までが近い
【特徴】
- 都心から最寄り駅まで電車で1時間半以内,最寄り駅から自宅まで公共交通機関で30分以内に到着できる地域。
- 会社員のように,一定の頻度で都心部まで移動しなければいけないけど,ある程度利便性が良く,都心部と比べれば自然が多い地域に住みたい人に向いている。
- 東京都内に勤務の場合は,例えば,青梅駅,立川駅,飯能駅の周辺などが該当(他にも沢山あります)。
【メリット】
- 駅近くのため,スーパー・コンビニ・レストラン等のお店が多い。
- 車を使わずに都心に出られるため利便性が良い。
- 都心部と比べると家賃が安い(ただし,分類①~④の中では最も家賃が高い)。
- 周辺に住宅が多いため,田舎暮らし特有のコミュニティによるしがらみの影響を受けにくい。
【デメリット】
- 田舎暮らしとしては自然が少ない(自然を求めている場合は物足りなさを感じる可能性)。
【私の考え】
- 私は自宅周辺に豊かな自然が欲しいと思っているため,分類①は物足りなさを感じます。田舎暮らしとしては中途半端な感じがあり,あまり魅力を感じません。
- ただし,田舎暮らしを始める最初の第一歩として選んでみるのは悪くないかもしれません。
分類②:都心から最寄り駅までが近い&最寄り駅から自宅までが遠い
【特徴】
- 都心から最寄り駅まで電車で1時間半以内,最寄り駅から自宅まで車を使って30分程度に到着できる地域。
- 会社員のように,一定の頻度で都心部まで移動しなければいけないが,自宅周辺に豊かなの自然が欲しい人に向いている。
- 東京都内に勤務に人でしたら,例えば,青梅駅,立川駅,飯能駅から,車で30分程度郊外に移動した地域が該当(他にも沢山あります)。
【メリット】
- 自宅周辺に豊かな自然がある。
- 電車が通っていない地域のため家賃が安い。
- 地域にもよるが,都心部に比較的近いためか,田舎暮らし特有のコミュニティによるしがらみの影響が小さい。
【デメリット】
- スーパー・コンビニ・レストラン等のお店が少ない。
- 虫が多い(田舎暮らしは,自然が多いので当たり前です。慣れます(笑))。
- 地域によっては積雪時に苦労する(自宅周辺の除雪作業を自分でしなければいけない可能性)
【私の考え】
- 会社員のように,週1~3回程度の頻度で都心部に移動しなければいけない人が,ぎりぎり頑張ってできる田舎暮らしのレベルです。
- 私は自宅周辺に豊かな自然が欲しいと思ったので,分類②の地域に住むことにしました。
- なお,自然豊かな地域に住むと体調が良くなりました。田舎暮らしを始めた経緯については,本ブログのこの記事をご覧ください。
分類③:都心から最寄り駅までが遠い&最寄り駅から自宅までが近い
【特徴】
- 地方都市で,最寄り駅から自宅まで公共交通機関を使わずに30分以内に到着できる地域。
- 例えば,高知駅周辺など,地方の主要な駅近くが該当。
- 地方に住みたいが,ある程度の生活の利便性を確保したい人に向いている。
【メリット】
- スーパー・コンビニ・レストラン等のお店が多い。
- 車で移動すれば,豊かな自然がある。
- 周辺に住宅が多いため,田舎暮らし特有のコミュニティによるしがらみの影響を受けにくい。
- 地方都市のため家賃が安い。
【デメリット】
- 都心部に一定の頻度で通勤しなければいけない人は,移動時間の制約から住めない。
- 都心部と比べると自然が多いものの,田舎暮らしとしては自宅周辺の自然が少ない可能性がある。
【私の考え】
- お店があるなど一定の利便性を確保することに重きを置きつつ,この地域の◯◯が気に入った人に向いています。例えば,宮崎駅近くに住んで,良い波が来た日はサーフィンに行きたい人などが該当します。
分類④:都心から最寄り駅までが遠い&最寄り駅から自宅までが遠い
【特徴】
- 地方都市で,最寄り駅から自宅まで車を使って30分以上かかる地域。
- 極端な例だと限界集落のような地域であり,人が少なく,手つかずの自然が沢山残っている地域に住みたい人に向いている。
- 家賃が恐ろしく安い(ただし,賃貸ではなく購入しなければいけない場合も多い)
【メリット】
- 自宅周辺に非常に豊かな自然がある。
【デメリット】
- スーパー・コンビニ・レストラン等のお店が少ない。
- 虫が多い(地域によっては獣もいる)。
- 地域にもよるが,田舎暮らし特有のコミュニティによるしがらみの影響が大きい(村社会)。
- 地域によっては積雪時に苦労する(自宅周辺の除雪作業を自分でしなければいけない可能性)
【私の考え】
- 田舎暮らしの最終形態のようなものなので,なかなか踏ん切りがつかないレベルです。
- まずは,分類②や③の田舎暮らしをしたうえで,よりディープな田舎暮らしをしたいと思った人が試してみればいいかなと思います。(私も一度はやってみたいです)
5. まとめ
本記事では,田舎暮らしのスタイルについて,「都心から最寄り駅までの移動時間」と「最寄り駅から自宅までの移動時間」から4つの分類を行いました。4つの分類に関する特徴,メリット・デメリット等のまとめは,以下の通りです。
分類① 都心から最寄り駅までが近い & 最寄り駅から自宅までが近い
- 都心から最寄り駅まで電車で1時間半以内,最寄り駅から自宅まで車を使わずに30分以内に到着できる地域。
- 東京都内に勤務に人でしたら,例えば,青梅駅,立川駅,飯能駅の周辺などが該当。
- 会社員のように一定の頻度で都心部まで移動する必要がある人,ある程度利便性が良くて,都心部よりも自然が多い地域に住みたい人に向いている。
- 一方で,田舎暮らしとしては,自宅周辺に自然が少なく物足りなさを感じる場合がある。
分類② 都心から最寄り駅までが近い & 最寄り駅から自宅までが遠い
- 都心から最寄り駅まで電車で1時間半以内,最寄り駅から自宅まで車を使って30分程度に到着できる地域。分類①の最寄り駅から自宅までの移動を車にした場合に相当する。
- 一定の頻度で都心部まで移動しなければいけない会社員等の人が,ぎりぎり頑張ってできる田舎暮らしのレベル。
- 都心部への移動やお店の少なさ等の利便性が低下してでも,自宅周辺に沢山の自然が欲しい人に向いている。
分類③ 都心から最寄り駅までが遠い & 最寄り駅から自宅までが近い
- 地方都市の中心部から自宅まで車を使わずに30分以内に到着できる地域。
- 地方に住みたいが,一定の利便性を確保したい人に向いている。
- 自宅周辺の自然は田舎暮らしとしては多くないが,例えば,宮崎駅近くに住んで,良い波が来た日はサーフィンに行きたい人などに向いている。
分類④ 都心から最寄り駅までが遠い & 最寄り駅から自宅までが遠い
- 地方都市で車を使って30分以上移動しなければいけない地域。
- 極端な例だと,限界集落のように,人が少なく,手つかずの自然が沢山残っている地域。
- 自宅周辺に非常に豊かな自然がある一方,利便性が悪い。
- 田舎暮らしを突き詰めた生活スタイルのため,ディープな田舎暮らしをしたい人向け。