2017年12月に価格のピークを迎えたビットコイン等の仮想通貨は,2018年1月に大暴落し,ビットコインのバブルが終わったと言われました。
しかし,2020年8月時点には価格が上昇し始め,今後はさらに過去最高値を上回ると予測されている一方,価値がゼロになるという予測もあります。(2020年12月頃には過去最高値を上回りました)
本記事では,今後の仮想通貨の価格動向について予測しました。
目 次
1. 仮想通貨の概要
1.1 仮想通貨とは
仮想通貨とは,ブロックチェーン技術を活用した,管理者のいないデジタルデータの通貨です。
「暗号通貨」や「デジタル通貨」とも言います。
通常の通貨(日本だと円のお札や小銭)は,その国の中央銀行が発行するため,当然ながら管理者(その国の政府)が存在します。だからこそ,紙幣はただの紙切れなのにも関わらず,通貨としての信用が保たれています。
しかし,暗号通貨は,ブロックチェーン技術を使って,誰かがデータの改ざんなどの不正をしないように見張ることができるため,管理者が不要となります。
管理者がいなくても成り立つというのがすごい技術なのです。
では,そのブロックチェーンとは,何なのでしょうか?
超ざっくり言うと,データの改ざん等ができないように,取引履歴(ブロック)同士の情報がつながっているのです。仮に,1つの取引履歴を改ざんした場合,つながっている別の取引履歴の情報と合致しなくなるため,不正がばれてしまうのです。
関連する全ての取引履歴のデータを短期間で改ざんすることが出来れば不正が成り立つのですが,現時点のパソコンの処理能力では,不可能な計算量になっています。
また,この取引履歴同士をつなぐ作業は,不特定多数のマイナー(Miner)と呼ばれるパソコンが作業を行い,このマイニング(Mining)という作業を行った人は,その報酬として仮想通貨を得られる仕組みになっています。
したがって,マイニングによって仮想通貨を得られる人が取引履歴(ブロック)をつなぐ作業を行い,しかもその取引履歴はそれぞれつながっているため不正ができず,管理者がいなくても成り立つ仕組み(非中央集権型)になっています。
一方,管理者が存在する仮想通貨(中央集権型)もあり,今のところどちらが良いというわけではありません。しかし,仮想通貨はもともと管理者が不要という発想のものに生まれた新たな技術のため,中央集権型の仮想通貨は当初の発想とは真逆のものになります。
ブロックチェーンは近年出てきた新しい技術ですし,実態がないため理解しにくいと思います。大事なのは,「管理者がいないこと」と「不正ができない仕組み」で,その技術を通貨に適用したのが仮想通貨ということです。
なお,スイカ(suica)等の電子マネーは,日本円をデジタル化したもののため,仮想通貨とは全く別物です。
この仮想通貨を使うことで,どんなメリットが得られるかというと,例えば,これまでよりも短時間かつ低コストで国際送金が可能になります。管理者がいないため,余計な手間や費用がかならないためです。
1.2 仮想通貨の種類
仮想通貨といえば,「ビットコイン(Bitcoin)」が最も有名です。
なぜなら,仮想通貨の中で,最も時価総額が大きい(≒保有している人が沢山いる)からです。
しかし,仮想通貨には,数千もの種類があり,ビットコイン以外の仮想通貨を「アルトコイン」と言います。
数多くある仮想通貨のうち,時価総額の上位10位を下表に整理しました。
また,その仮想通貨が非中央集権型もしくは中央集権型か,国内取引所で購入可能かどうか,その他特徴も示しています。
なお,下表の仮想通貨以外にも,2018年1月に約580憶円の仮想通貨が不正流出した「ネム(NEM)」(芸人の貯金全額が一時無くなったことで有名)もありますが,時価総額は0.06兆円程度(2020年8月時点)と比較的規模が小さいです。
【仮想通貨の種類(時価総額の大きい上位10位)】
仮想通貨 | 時価総額 (2020年8月時点) |
管理 | 国内取引所 での購入 |
特徴 |
ビットコイン (Bitcoin) |
約23.4兆円 | 非中央集権型 | ○ | |
イーサリアム (Ethereum) |
約5.1兆円 | 非中央集権型 | ○ | スマートコントラクトを実装 |
リップル (XRP) |
約1.4兆円 | 中央集権型 (リップル社) |
○ | |
テザー (Tether) |
約1.1兆円 | 中央集権型 (Tether Limited) |
○ | 価値が米ドルと固定 |
チェインリンク (Chain Link) |
約0.7兆円 | 非中央集権型 | × | スマートコントラクトを実装 |
ビットコインキャッシュ (Bitcoin Cash) |
約0.6兆円 | 非中央集権型 | ○ | ビットコインから分岐 |
ビットコインSV (Bitcoin SV) |
約0.4兆円 | 非中央集権型 | × | ビットコインから分岐 |
ライトコイン (Litecoin) |
約0.4兆円 | 非中央集権型 | ○ | |
カルダノ (Cardano) |
約0.4兆円 | 非中央集権型 | × | スマートコントラクトを実装予定 |
イーオス (EOS) |
約0.4兆円 | 中央集権型? | × |
2. これまでの仮想通貨の状況
仮想通貨の中で最も時価総額が多い「ビットコイン」を例として,2015~2020年までのチャートを以下に示します。なお,他の仮想通貨のチャートも似た傾向となっています。
主に4時期に分けられます。
- 2017年までは横ばいもしくは緩やかな上昇
- 2017年に入って急上昇し,2017年12月にピークを迎える
- 2018年初めに急落し,2019年上旬頃に底をうつ
(急落要因は,中国の仮想通貨に対する規制強化の報道,韓国で仮想通貨が禁止になるという噂が流れたこと,コインチェックのNEMのハッキングによる仮想通貨への信頼低下などが考えられます。) - 2019年4月頃から再び急上昇し,2017年12月ピーク値の半値程度まで戻し,その後上昇と下落を繰り返す。
2020年8月現在は,再度上昇しているところであり,今後の動向が注目されています。
→2020年12月時点では2017年12月の過去最高値を上回り,上昇・下落を繰り返しています。
【ビットコインのチャートと将来予測(2020年8月時点)】
3. 今後の仮想通貨の変化を予測
仮想通貨の価格は,今後急上昇し2017年12月頃のピークを大きく上回るという予測もあれば,価値がゼロになるという予測もあります。
価格が2017年を超えるという予測は,例えば以下の記事があります。
COINPOST:ビットコインの17年仮想通貨バブル越え「可能性あり」 ブルームバーグが指摘
一方,価値がゼロになるという予測は,世界的に有名な冒険投資家の「ジムロジャーズ」などがあります。
AERA dot. (アエラドット):ジム・ロジャーズ「仮想通貨の価値はゼロになる」ビットコインをすすめない理由とは
私の考えでは,仮想通貨の価格は,①一時的に少し下落した後,②大きく上昇し,③最終的にはゼロになる仮想通貨が多いだろうと考えています。
その考えを以下に記載します。
①一時的に下落すると考える理由
現在の仮想通貨の価格は,金との相関が高く,仮想通貨が安全資産の一部だと思われています。
しかし,2020年は米国の大統領選挙があり,株などのリスク資産の価格が上昇すると予測しています。(大統領選挙のパフォーマンスとして,人為的に株価上げる)
そうなった場合,安全資産と思われている仮想通貨の価格も一時的に下落すると思うためです。
下落幅は予測できませんが,2020年8月価格から60%程度ではないかとざっくり考えています。
②大きく上昇すると考える理由
量的金融緩和等によって,マネーサプライ(中央政府と金融機関以外で,国内の経済主体が保有する通貨の合計)が増加しています。
この余ったお金は,何らかの投資先に向かうのですが,将来的に株が暴落した場合に安全資産の1つとして考えられている仮想通貨に流れ込みます。
仮想通貨の市場規模は,世界の株式の時価総額の数%程度のため,株からお金が逃げ出して,その一部が仮想通貨に流入するだけで,大変な暴騰になるのです。
しかも,新興国では,安全資産である金が手軽に購入できないため,仮想通貨の需要が増加していることも暴騰を促す要因になります。先進国でも金の購入が停止になれば,さらに仮想通貨の価格上昇につながるでしょう。
この時のピーク価格は,2017年12月の価格を優に超えると思っています。
③最終的に価値がゼロになると考える理由
通貨発行権は政府以外に与えることが禁止されています。これは,政府が国家を運営する上で重要な貨幣の管理するためです。
一方,仮想通貨は管理者が存在しない非中央集権型,もしくは特定の会社等が管理する中央集権型になっています。
そのため,仮想通貨が暴騰し,世界の通貨発行の恐怖と感じた場合,何らかの規制を加えると考えるためです。
2018年1月の仮想通貨の大暴落の要因の1つも,中国の取引所規制強化や韓国で仮想通貨が禁止になるという噂が流れたことが要因であるため,政府による規制が大暴落を引き起こし,最終的に価値がゼロもしくはかなり小さくなることが十分あり得ます。(このほかに,コインチェックのNEMのハッキングも要因)
4. 仮想通貨への投資のタイミングは?
前章の考えを踏まえ,予測した仮想通貨の将来チャートは以下のとおりです。
仮想通貨の投資は,一時的に価格が下がったときが良いでしょう。
ただし,価格がどの程度下がるのかは予測できないため,状況に応じて判断するしかありません。
私は今の価格(2020年8月)の60%程度まで下落することがあれば買い,その後,暴騰が生じるまで数年間程度を保有することを考えています。
どの仮想通貨への投資が良いかは別の記事で書くことにします。
また,仮想通貨で得た利益は,税金が高く注意が必要なため,そのことについても別記事で記載します。
5. 今からできる準備は?
現時点は,仮想通貨が上昇しているところであり,まだ買いのタイミングではないでしょう。
しかし,いざ一時的に暴落し,購入のタイミングとなっても,準備ができていないければ,すぐに動き出せないため,仮想通貨の口座を作成するとともに,少額で使い方を勉強したほうがよいでしょう。
私は,取引できる仮想通貨が多く,信頼できる大手という理由で,GMOとDMMの2つの口座を作成しました。
どちらも使いやすいため,口座を作成してよかったと思っています。
以下は,GMOとDMMのHPです。興味があれば覗いてみてください。
6. まとめ
本記事のまとめを以下に記載します。
- 仮想通貨は,ビットコインが最も時価総額が大きくため有名だが,他にも沢山の仮想通貨(アルトコイン)が存在します。
- ビットコインは2017年に急上昇し,12月にピーク値となるが,2018年1月に急落した。現在は,ピーク値の半値程度まで戻し,上昇と下落を繰り返しています。
- ビットコイン等の仮想通貨は,今後大きく上昇するという予測がある一方,価値がゼロになる予測もあります。
- 私の考えでは,仮想通貨の価格は,一時的に少し下落した後,大きく上昇して2017年12月のピークを大きく上回り,最終的にはゼロに近い価格になるだろうと考えています。
- 価格が大きく上昇すると考える理由は,マネーサプライの増加が時価総額の小さい仮想通貨に流れ込むこと,新興国の仮想通貨需要が高まっていること,安全資産である金の購入が禁止されたあと仮想通貨の需要がさらに大きくことを予測しているためです。
- その後,仮想通貨の価格がゼロに近くなると考える理由は,仮想通貨が暴騰し,各国政府が通貨を発行する権利をコントロールできなくなることを恐れ,仮想通貨に規制を加えると考えるためです。
- 仮想通貨の購入は,今よりも価格がある程度落ちたときが良いと考えます。どの程度落ちたら余暇は,予測できませんが,今の価格(2020年8月)の60%程度まで下落すれば私は購入しようと思っています。
したがって,今は仮想通貨の口座を作り,いざというときに動き出せる準備をしていればよいでしょう。